鉋台の刃口埋め:長台寸四(摺り台使用)
摺り台使用の長台寸四の刃口がすっかり広がってしまいましたので埋めることにしました。
面倒なので先延ばしにしていましたが、この頃では裏金を絞り込んでも材によっては逆目が止まらなくなってきましたし、引きも重く、木端のカネ出しや平面出しもピシャリとすぐに出せなくなりましたので、もう限界と判断しました。おそらく2mm以上は空いていたと思います。
これまで刃口が広がったときは下端に埋め木を接着する方法で対処してきましたが、この長台寸四は使用頻度が非常に高いので先々の利便性を考えて難易度は高くなりますけども、刃口が広がるたびに埋め木をずらせば済むこのやり方を選択しました。
この方法で埋めるのは今回が初めての挑戦でしたので、曼陀羅屋の手柴さんのホームページや、木工芸 市川さんのこちらの記事やこちらの記事を何度も読んでから作業に取り掛かりました。写真は鏡と木っ端返しを蟻に掘り終ったところです。ちょっと蟻の角度を付け過ぎたかもしれませんね。
ちょうど良い樫材のストックがありませんでしたので、今回はミズメを使ってみることにしました。
写真はきつさを見ているところです。薄い方の木端が割れないか終始気になりました。
刃口付近を台直し鉋で整えているところです。
掘り終わった当初はもっときれいな切り口でしたが、抜き差しして加減を見ているうちにご覧の様にダレてしまいました。残念。
刃を出した状態です。
薄削りをするわけではありませんので、もうちょっと空けても良かったかもしれませんが、出来る限り狭い状態で使い始めたいと考えました。
この角度だと殆ど隙間が空いて無いように見えますが、上端側から見るとしっかりと空いています。
トリマーでビスの溝を掘り込んで埋め木を固定しました。
その掘った溝が気に入らず後日埋め木を作り直しましたが、今度はビスをねじ切ってしまいました。
やり直すには再度埋め木を叩き壊すしかなく、現在はねじ切れたビスが残ったままで使っています。。。
失敗例としてその写真も載せるべきなのでしょうが、あんまり格好が悪いのでちょっと内緒にしておきます(苦笑)
反対側から。
引きも軽くなり、木端のカネや平面出しも随分と楽になりました。
裏金を絞り込むと詰まることもありますが、刃口が狭いので効かせなくてもそれだけで逆目が止まります。
気になる部分は多々ありますが、刃口を埋めるという目的はなんとか達成できました。とりあえずこれでまた快適に使えます。
まさかビス締めで失敗するとは思いませんでしたが、一番難儀に思っていた台を掘る作業自体は想像していたよりも上手く出来ました。とにかく掘るのがややこしそうでしたのでこの方法を敬遠していたのです。ただ、埋め木に関してはもっときつめにした方が良かったかもしれません。勾配の付け方などもなんとも手応えの無いものになりました。まだガツンと叩けばいくらか動いたと思いますので、そのうちズレるかもしれませんね。その時はまたきっちりと作り直したいと思います。
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by Jiro.Fujiwara |
by atelier_teo
| 2013-09-17 20:52
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